27th memorial
60th anniversary

hide's coffeeⅤ
「TELL ME」

"かけがえのない「珠」の存在は、苦く、甘く、
そして優しく、柔らかく輝き続ける。"

hideさんがパーソナリティーを務めたラジオ番組がスタートしました。初回の放送は「History of hide」と題されて耳に届きました。hideさんの楽曲やビジュアルはもちろん大好きでしたが、そのほとんどはメジャーになってからの歴史であり、hideさん自身が語る、少年「松本秀人」時代を興味深く聴くことになりました。少しはにかむような、照れるような、笑い声と共に語られるソレは、コンプレックスを抱えた少年のお話でもあり、聴いていて私自身が自らの少年時代に引き戻されたような感覚に落ちいりました。同時に「ああ、だからhideちゃんはTELL MEを創ったんだ」と妙な納得がありました。私は小、中、高と常に自分の中に「異物感」のようなモノを抱えて過ごしていました。何故だかわかりませんが、皆の中に溶け込んでいけない、違和感を常に抱えていました。それゆえにほとんど友達もおらず、いつも孤独の中にいたと思います。学校は私にとってしんどいばかりの場所で、もしかしたらそんな方も多くいらっしゃるかもしれませんが、それでも自分は自分なんだと言い聞かせることが前を向く唯一の方法でした。だからTELL MEを最初に聴いた時は涙があふれてきました。音楽を聴いて記憶がよみがえり涙を流すなんて初めての経験でした。今、もしもタイムマシンがあるならあの時の私に「そのままでいいから、頑張れ」と声をかけてやりたい。初めてTELL MEを聴いてから30年が経過しました。

先ごろ公開された、まさに「TELL ME」という映画の中で、少年・松本秀人がhideにメタモルフォーゼする瞬間が描かれていました。相棒であるギターを手にしたその姿こそ、少年・松本秀人が夢見た自分だったのかな、と思います。hide’s coffeeⅤ「TELL ME」は、夢が現実になった瞬間、いわば、かけがえのない「珠」の完成を目指して創造しました。ブレンドのコアには、ブラジル、コロンビアと言う日本のコーヒーを支え続けてくれているコーヒーを据え、優しいスイート感あふれるカリブ海産のコーヒーをポイントにしました。カリブ海系のコーヒー、特にブルーマウンテンはやわらかなスイート感を持ち味としますが、それゆえ非常に繊細で、焙煎、ブレンドには格段の配慮が必要です。コーヒーは元来苦いもの、だけど、優しい甘味もきっと感じていただけるはずです。楽曲「TELL ME」に溢れる、あの日の思いをカップの中に感じていただけならとても嬉しく思います。hideさんが愛した「日本のコーヒー」は、楽曲作成の合間に、きっとホッとする瞬間を彼に提供していたのかな、と思います。少年・松本秀人はロックに出会い、ギターを手に夢に向かいます。翻って私の手の中にはコーヒーがあり、ときに気難しいこともあるけれど、コーヒーは生涯の相棒と断言できます。そんな相棒と共に、hideさんの楽曲「TELL ME」を創造することになるとは夢にも思いませんでした。私は今年57歳、30年も前に聴いて涙を流した「TELL ME」は、なぜだか聴く度に心を穏やかにさせてくれます。hideさんの楽曲は変わらないはずなのに。これから10年後に聴く「TELL ME」は、どんなふうに聴こえるのかな?今から楽しみです。様々な制約や規則、規制が整備され、色々な意味で「僕が僕でありつづけること」が難しい時代になってきたのかな、と感じることもあります。けれども、楽曲「TELL ME」とともに、hide’s coffee Ⅴ「TELL ME」が、皆様に憩いのひと時をもたらし、明日への活力となればこれに勝る喜びはありません。どんな時代がこようとも、昴珈琲店は、昴珈琲店としてあり続けていきたいと思います、hideさんのキラメク楽曲達の様に。

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コーヒー鑑定士 細野修平


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